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Branding
2023.06.23

企業がブランディングをおこなうなかで欠かせないVI(Visual Identity/ビジュアルアイデンティティ)をご存じですか?

ブランディングにとりくみたいけれどVIについてよくわからないという方、VIに自社でとりくむ必要性があるか迷っている方に、企業の事例を含めて、この記事ではVIとは何かを詳しく解説いたします。

VI(ビジュアルアイデンティティ)とは

まずはVI(ビジュアルアイデンティティ)の基本を理解するため、その意味と定義、そしてVIが企業活動やブランディングのなかでどのような立ち位置にあるのかみてみましょう。

VIの意味と定義

VIとは企業のロゴや商標、色、フォントなど、企業を視覚的に表現した一貫性のあるデザイン全般をまとめたものです。一貫性のあるデザインをつくることは、他社と識別して消費者や顧客に視覚的に認知されることへとつながります。

MIが企業を何者であるか一言で表した言葉であるなら、VIはブランドが何者であるかを一目でわかるよう表現したデザイン一式です。

VIはブランディングにおいて、顧客に瞬時にインパクトをもたらし、記憶に残すことができる最も重要な要素です。なぜなら、人間の五感における情報判断では視覚は87%を占めるため、一目で識別することができるデザインによって、消費者や顧客は企業や商品を認識するからです。

VIの立ち位置

CI(コーポレートアイデンティティ)をロゴやデザインと誤解されているかたも多くいらっしゃいますが、視覚的に訴える企業のロゴやデザインはVIになります。

1990年代にCIブームが訪れ、そのときに社名やロゴを見直す企業が多かったことから、そのような誤解が生じましたが、CIは企業の理念や社会での存在意義を明確化し、社内外に浸透させ、社内・社外で企業に対する認識を一致させることで、企業の認知や価値を高めるものです。

VIは、企業理念やビジョン(MI/マインドアイデンティティ)を可視化して、それを体現するデザインとして企業を象徴するものであり、VIはCIを構築する要素のひとつなのです。

CIやMIなど他のアイデンティティを確認したい時は、こちらの記事をご覧ください。

VI(ビジュアルアイデンティティ)の効果

VIは企業に関わる視覚的なデザイン全般であるとご紹介しましたが、ではなぜ企業にVIは必要なのでしょうか?VIは主に3つの効果を企業にもたらします。ひとつずつみてみましょう。

自社が顧客に与えたい世界感を効果的に伝えられる

人の第一印象は数秒できまるといわれ、メラビアンの法則では第一印象の視覚がしめる割合は55%といわれています。企業に対する第一印象も同じです。視覚によって表現したVIによって、一目でその企業がどういう企業であるかを判断します。そこで消費者は、瞬時に自分の価値観や好みにあうかどうかを決めるのです。

例えば大人っぽい落ち着いた雰囲気のバッグを購入したとき、ポップなロゴやビタミンカラーがあしらわれたショップとブラウンベースのシンプルなロゴのショップが並んでいたら、後者のショップへと向かう方がほとんどではないでしょうか。それは、それぞれの店舗で販売されるバッグがどのような商品であるかをVIを体現する店舗デザインによって判断したからです。

VIは、企業は自社のイメージや世界観を効率的・効果的に伝えることを可能にするのです。

消費者との信頼関係の構築

一貫性のあるデザインを定めたVIによって、企業は一貫性のあるイメージをつくりあげることができます。それは、社会にむけて自社がどういう企業であるかという視覚的なメッセージです。

明確なVIのある企業は、企業や商品にまつわる印刷物、商品のパッケージ、店舗のデザイン、デジタルツールなどすべてのデザインに一貫性をもたせることができ、消費者はその企業を瞬時に判断することができます。一方消費者が目にするものによって、イメージが統一されていない場合には、それらを同じ企業と判断することが難しくなってしまいます。

統一された一貫性のある視覚的なメッセージを送り続けることで、消費者が自社の商品やサービスを選びやすくなり、消費者との信頼を築きあげていくことへとつながるのです。

競合社との差別化

商品もサービスもあふれる現代において、自社を他の企業と差別化することはビジネスを左右します。視覚的に認識した企業を、消費者は企業やその企業の商品・サービスの価値と結びつけるのです。

VIによって、消費者や顧客は瞬時に企業や商品を認識することができます。

VI(ビジュアルアイデンティティ)の具体例

VIが企業にとっても、ブランディングに取り組む上でも、重要な要素であることをここまででご説明しました。では、VIはどのような要素でできているのでしょうか。

視覚によって企業のもつ理念やビジョンを伝えるためには、統一感のあるVIが必要になります。一貫性のあるVIをつくるために、VIで決めておくべき4つの要素があります。4つの構成要素を確認しながら、実際の企業の具体例をみて理解を深めましょう。

ブランドシンボルマーク

ブランドシンボルマークとは、ブランドの象徴となるロゴマークです。ロゴマークには、その裏に企業理念や創業ストーリーから紡がれた秘められた物語りがあります。自社の企業理念や創業に至った経緯などをふりかえり、自社を象徴する言葉や社会へ届けたい価値、企業として目指す像をうつしだすデザインをつくりあげます。

ブランドシンボルマークの事例 スターバックス

スターバックスはギリシャ神話の2つの尾をもつ人魚、「セイレン」がモチーフになっています。創業メンバーがノルウェーの木版画に描かれたセイレンをみつけ、きれいな歌声で人々を魅了したという「セイレン」とコーヒーで人々を魅了する「スターバックス」の姿を重ねたそうです。

ブランドロゴタイプ 

ブランドロゴタイプとは、ブランドの名前にデザインをあしらったロゴです。MIで表現される企業の個性や特徴を体現するフォントやフォルムへとデザインします。

ブランドロゴタイプの事例 ユニクロ

身近でわかりやすい例には、グローバルに展開するユニクロがあります。ユニクロは、赤いスクエアに白抜きでブランド名をデザインしてロゴにしています。

ブランドシンボルカラー 

ブランドシンボルカラーとは、そのブランドを体現する色です。コーポレートカラーといわれることもあります。視覚では、形と色が組み合わさることにより、人の記憶に残ります。そのため、人がブランドを認識するときに、色は欠かせない要素なのです。企業のMIを象徴する色を選びます。

ブランドシンボルカラー事例 ティファニー

ティファニーブルーという色の名前を聞いたことがあるかたも多いのではないでしょうか?ジュエリーブランド、ティファニーのコーポレートカラーがあしらわれたショッピングバッグやジュエリーボックスにつかわれているティファニーを象徴する色です。

サブグラフィックエレメント 

サブグラフィックエレメントは、企業を象徴するロゴやアイコンなどをサポートするためにつかわれるグラフィックパターンです。企業や商品にまつわるビジュアルをデザインするときにロゴやアイコンとともにつかわれます。MIを表現するブランドのイメージや世界感を視覚的にわかりやすく伝えるられる、ロゴのイメージを補完するデザインをつくります。

サブグラフィックエレメント事例 ブルガリア

ヨーグルトのブルガリアのパッケージにあるブルーとライトブルーを重ね合わせたデザインは、ブルガリアヨーグルトを他のヨーグルトと差別化してくれるアイコニックなサブグラフィックエレメントです。

(画像参考URL:https://www.meijibulgariayogurt.com/product/400g-LB81-plain.html

これら4つのVI要素に一貫性をもたせることで、ぶれることのない軸の通ったVIをつくることができます。そしてどの要素にも同じメッセージがこめられています。そのメッセージこそが、企業理念とビジョン(MI)です。

CIRCLのビジュアルアイデンティティの作り方

VIとは何か、どのような要素でつくられるのかを解説してきましたが、ここからはVIの実際の作り方についてご紹介します。

企業へのヒアリング(MI、BIを含む。)

企業と方向性の確認

MIを視覚的に表現するVIを作成

まとめ

みなさん、VIが企業を視覚的に表現した一貫性のあるデザイン全般をまとめたものであることをご理解いただけましたでしょうか。VIは企業に3つの効果をもたらしてくれることを解説いたしました。

  • 自社が顧客に与えたい世界感を効果的に伝えられる
  • 消費者との信頼関係の構築
  • 競合社との差別化

VIはブランディングとデザイン両方の専門知識や経験が必要とされるため、自社でつくりあげるには難しいCI要素のひとつです。緻密な分析や試行を繰り返し、他と一線を画す唯一無二のVIを作り上げます。長く成長を続ける企業になるためには、MIを体現するVIを着実につくりあげることが不可欠です。今後何十年、何百年とつかうことができるVIを築きたいと考えている方は、ぜひブランディングとデザインの高い専門性を誇るCIRCLにご相談ください。

参考文献

「デジタル時代の基礎知識 ブランディング 「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール」(著:山口 義宏 株式会社翔泳社)

https://www2.gsis.kumamoto-u.ac.jp/~info/2004_2/works/g031a081/exe.pdf

https://news.mynavi.jp/article/20130331-sb/

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